今回はイノベーションについてです。
イノベーションの条件は需要側の価値に「劇的な変化」
が起きることであり、人々の生活を変えるもの。
それは「思いつくか、思いつかないか」であり、
「誰にでも、いつでもチャンスはある」。と、言われます。
自社商品の限界、サービスの同質化、事業の陰り、
どうするべきか?
「お客様は何を思っているのだろう?」
「何を言ってるのだろう?」
こんな風に考えることから始めることです。
でも商品やサービスの修正改善のような持続的イノベー
ションは他社にすぐ追いつかれ、やがて破壊されてしま
います。
そこで必要な視点は?
■ お客様に感情移入できるレベルまで、顧客視点に
なれるか?
■ 自社のためにお客様を変えるのではなく、お客様
のために自社を変えられるか?
流通系クレジットカード日本一のクレディセゾンは
アライアンスによるイノベーションで徹底的に会社を
改造してきています。
いくつかの例を紹介すると
■「私もクレジットカードを持ちたい!
でも審査が厳しくて無理だ!」
こんな声に1982年に即与信、即発行の年会費無料
カードを発行。カード需要が一番ある買い物によく行く
女性を味方につけたのです。
■「食品売り場のレジでのカード使用はサインに時間が
かかりすぎる!」
こんな声に1990年、日本初の「サインレス取引」を開始
サインが必要!という基本ルールを打ち破ったのです。
■「せっかく貯めたポイントが期限でなくなるなんて!」
こんな声に2002年無期限「セゾン永久不滅ポイント」を
開始。いまだ他社は追随できていません。
更にこのポイント運用をアライアンスで構築しています。
これらは「お客様を変えるのではなく、お客様のために
自社を変えてきています。」次々とタブーを打ち破って
日本一になった今もその精神を持ち続けています。
先日も林野社長に話を聞く機会を頂きました。
「経営者人材は、困難な課題の解決や改革を推進する
ことによってしか育たない」
「守りが企業をダメにする、トップがそれを破壊し、
情熱と危機感でイノベーションを生むために日々仕事を
進化させる」
「成功体験や20世紀の延長戦でモノゴトを考えては
いけない」と語っています。
いつも言っていることは変わらず
お客様が何を欲しているかを見極め、そのための最善策
をタブーに縛られることなくゼロから作りあげています。
また、アライアンスを組むことで外から新しい刺激を受
け続け、更に衰えることのない林野社長の好奇心も
クレディセゾンのイノベーションの原点だと感じました。
まとめとして、
「イノベーティブな組織にするためには
どのようにするか?」体験も踏まえて整理してみると
① イノベーションを「特別なもの」「難しいこと」と
考えず、「あったらいいな」くらいから考える。
② イノベーションとは?を「自組織で共有する」。
③ 既存の延長の会話ではなく、「新しい価値」をテーマ
に議論する。
④ 「世の中にとっての新しさ」「自社にとっての新しさ」
をテーマにする。
⑤ アイデアは引き上げる。組織の既存のルールで判断
しない。
⑥ トップがイノベーションの一番の理解者になる。
⑦ 事業組織は小さく、一人一人が周りの動きに敏感に。
⑧ 異質との接触を重要視する。/人材、環境、手段、文化
私の若い時代の体験では⑧番が大きくイノベーションを
具現化させ、⑥番で苦労したことを思い起こします。
今こそもう一度原点に戻って考えてみてはいかがで
しょうか、もしかしてその源泉はミッションにあるかも
しれません。
最後までありがとうございました。
陸川