「無所属の時間」!

皆さんこんばんは
また夜遅くなってしまいました。

 

どこにも関係のない、どこにも属さない一人の
人間としての時間、それは、人間を 人間として
よみがえらせ、より大きく育て上げる時間となる
だろう。
作家の城山三郎さんはそれを「無所属の時間」と
言って大切にしました。

 

今になって振り返るととても大切なこと、として
思えるようになっています。

会社に入って組織に所属、そして無我夢中に従事し、
働き、ある程度のスキルを身につけるとそれなりの
ポジションに、そして高くなった難易度を乗り越える
ためにまた夢中に働いてきた。
私の振り返りですが皆さんも差は無く、もっと違う
レベルで体験を積んできていると思います。

 

途中からは、自分の家庭と言う新たなことに所属し、
所属を2つも3つも、その中で人は育ち、成長し
夢を描き、実現化していきます。

あるものに所属することで自分の思いや、価値観を
悔しいかな、捨てるまでもいかなくても押さえたり、

悔しいかな、黒いものを白と言われて従わざるを
得なかったり、でもそこではそんな事象や体験に
遭遇したときのための免疫をつけることで自分を
納得させたり、所属、所属、所属から抜け出したい
と思うことは何回も有りました。

 

そんな私は60歳の時一年間「無所属」を体験
しました。現実には家庭という所属は継続して
いましたが。

長年の会社への所属を止め、ようするに退職で
無所属になりました。

今まで行きたくても行けなかった所に出掛けたり、
中途半端になっていた趣味に夢中になったり、
故郷の自然に数日慕ったり、疎遠だった友人
との中を回復したり、会社時代の自分の至らなさ
を反省してみたり、図書館に通い思い当たる本
に集中したり・・・・

 

この間多くのこと、もの、人、考え方、見方、
などに巡り会えたと、振り返ることが出来ました。

そんな中で自分の今後の人生を妄想しました、
しかしよく言われる現実から遊離している妄想
ではなく現実をおおらかに見る「妄想」が出来た
のです。

 

自分がしたい事は何か?本当にしたい事はなにか?
何をすればそれが現実化出来るか?
いつ何を行動するのか?自分への質問攻めです。
当然不安や自信へのブレーキも有りました。

 

それからの行動は自分でも不思議なくらいに
速い行動が出来たのです。
見切り発車的と思われることでも知人に頼ったり、
友人に人を紹介してもらったり、専門書に知恵を
借りたり・・今では無所属の時間の体験が活きた
と思っています、そう思えるのです。

 

今思えば、会社時代の夢中に所属に浸っていた時に
も休みや、時間を一時間でも作って無所属の時間を
作れたろうに! と、半ば反省もありますが。
そのときは出来なかったんですね。

 

一日は24時間と限られます、これは変える
ことは出来ませんが使い方は工夫次第で変える
ことは出来ます。10分や30分の無所属の
時間を作って、自分流でも良いので瞑想をしたり、
好きなことを探求してみたり、休みなら街を理由
無く歩いて見るとか、に使って見ることで何かに
巡り会うことが出来るかもしれません。

 

作家の吉行淳之介さんが「街角の煙草屋までの旅」
と言って一冊の本にまとめていました。
家から近くの煙草屋までのひとときでさえ、
人は何かに巡り会うものであると。
今ではたばこは駅かコンビニなのでイメージが
少し違いますが。

数分でも無所属の時間を !

最後までありがとうございました。

陸川 徹