「バトンを渡す」

皆さんこんばんは、

今回も夜になってしまいました。

今回は「バトンを渡す」です。

冬期オリンピックが終わり、日本人選手はもちろん
多くの選手を応援し、感動を味わう機会を過ごせた
ことは有意義で幸せであったと振り返っています。

 

チームプレーでは自身のスキルだけではなく、
他選手のパワーを生かすために、自身の力の
調整をしたりして見えないバトンを渡してゴールを
目指す姿が特に印象的でした。

パシュートの技は、その優れたリーダーシップの
バトン渡しが金メダルを獲得しました。
ビジネスでの後継者への継承に似たところが
ありますね。

 

今回はトップ継承する側にいる方への視点で書いて
います。

ビジネスコーチとして後継者に経営のバトンを渡す
ための準備としてのコーチングを依頼されることが
あります。
そんな時は多面的な質問で会社の将来に対する
思いを引き出し、どうすることが自身と会社、
後継者の成功にとって良いのかを気づいてもらう
ために努めます。

 

後継者不足と言われる日本の企業、とりわけ中小
企業の状況下において、コーチングが継承する側、
される側共にとって、極めて有意義であることを
理解してのケースです。

このように、コーチにサポートを求めるケースは
増えてきていますが、継承問題が解決されている
状態にはまだまだ至っていません。

多くの経営者は幾度となく壁を乗り越え、成長を
成し遂げてきている経験からあるべき姿を描く
能力は間違いなく持っていますが、その通りに

なっていない事が今の現状かもしれません。

 

それはなぜなのか? 
交代のストーリーが描けない、
描き方が分からないということが起因しています。

それ以前の要因としては、言葉が悪いですが
・もう少しトップに居座りたい。
・これを成し遂げてからバトンを渡したい。
・やめろと言われるまではもう少し。
・次なる人材が育っていない。
・後継者にするにはまだ若すぎる。

 

トップを止める事は、お金や権力、権限、そして
ステータスを手放すことになり、会社を去る時には
現実となります。

現実には、トップは自分がやめると言わないかぎりは
なかなか交代のストーリーを描けないのです。
それほど交代は難しいことなのでしょう。

世界NO1のエグゼクティブコーチ、マーシャル
ゴールドスミス氏が自身の著書の中で、ドラッカー
財団の初代CEO のフランシス・ヘッセルバイン氏
の言葉を紹介しています。「交代を成功させることは、
優れたリーダーが最後に手がける大仕事である」と。
大胆な覚悟と、継承、交代へのストーリーが必要に
なると言うことなのです。

いつ、誰に、どのような状態でバトンを渡すのか?
渡すまでの期間、渡してからのその後の動き方は?
しっかりとしたストーリーを描き、後継者と会社の
成長と長期の存続を優先したプロセスを描き、その
実行が必要となります。

有終の美を持って美しく、最大の感謝を受けて
終わりたい!そして名前も残したい!
気持ちは分かりますが、優先するべきは自分よりも
後継者の成功に目と頭を転じるべきでしょう。

そして自分自身は、トップでいた時に得た多くの
喜びにも増した別の目標を持ち、そこに幸せを
見つけ出すことが必要でしょう。
今までの功績を作ってきたあなたにはそれが出来る
のです。

会社経営ではトップの交代はする側、される側の
双方にとって成功を収める事が求められますから。

トップには継承する時は必ず訪れます。いま得て
いる権力、権限、そしてステータスは自身の力
だけではなく、周りの大きな力によって得られた
という事実を忘れてはならないのです。

さあ、今日から何を行動しますか?

多くの感動と、ビジネコーチとしての自分に刺激を
与えてもらったオリンピックでした。

最後までありがとうございました。

ビジネスコーチ
陸川 徹