皆さんこんにちは、
今回は「派遣社員、パートナー社員」のマネジメント
についてです。
近年ダイバーシティー・マネジメントが課題とされ、
多くの機会で重要視されています。
経済のグローバル化に不可欠とされ、企業の発展に
寄与し、競争力、イノベーションの源泉となるもの
といわれるものです。
本来的には「多様性の受容」といわれています。
対象としては、性別、国籍、LGBT、身体状況の違い、
年齢や世代といった「属性」の多様性と、
もう一つは雇用形態、働き方、働く場所などを含めた
「働く条件」の多様性を含みます。
私が長年勤務した百貨店では、その80%が派遣社員
とパートナー社員で組織力を高めていかざるを得ない
ものでした。
近年産業界の多くはその状況は更に拡大定着し、単に
人件費構造の組み換えはではなく、多様な人材が持つ
多様な能力により、多様な市場ニーズへの価値創造に
繋げることが目的とされています。
そこで体制を整えるだけではなく、働く条件に関わらず
組織目標を達成するためのマネジメントが行われるには
何が必要か? を私の体験も含めて記してみます。
① 正社員と分け隔てなく仕事をし、力を活かす!
契約条件の隔ては合っても、知識、スキルは同等に
認め、組織の為に活かす場を与えることです。
ある時期から中国人顧客が急激に増加し、簡単な中国語
を身に付けるべきだ、とのことで中国人のパートナー
社員に教育講師を託しました。
毎週の開店前に開校し、受講生は最高30名まで拡大し、
その後の韓国語の授業まで拡大しました。
雇用条件は別であっても、組織の目標に向かって戦う
モチベーションを高め、外部講師を採用することも省け、
他のパートナーさんや、派遣社員の社員との一体感が
高まる一助となりました。
② 重要な戦力として認め、扱う!
百貨店が構造不況といわれた時代の大型店舗のかじ取り
をしていた時のことです。
経営判断で閉店が決定、店舗に残されたのは6ケ月のみ、
店長としての責任を全面的に背負ったのは当然でしたが、
残された責任を全うするに、全従業員に力を借りること
にし意見を求めました。
手法は「企画提案箱」でしたが多くの提案が集まりました。
商品調達、得意様対策、予算達成策、従業員意識高揚策
等、従来の本部主導から店舗重要員のてづくりが実現し、
その効果は目標大幅達成、事故ゼロとなりました。
なんと採用企画の9割は「派遣、パートナー社員」さん
からのものでした。組織を思う気持ちは同じだったのです。
③ 役割期待を明確にし、存在承認をしっかり行う!
黒子(クロコ)をクローズアップ、
警備、掃除、設備担当はお客様の安全安心には不可欠な
仕事です。しかし派遣社員であり、クローズアップされ
ていませんでした。そこで当たり前にクローズアップ
したのです。
業務内容を開示、顔写真と仕事への思いを掲示板で紹介
しました。
現象変化が起こりました。社内の規律違反が激減、現場
と後方部門とのコミニケーションが深まり、掃除や設備
修繕への依頼の会話がスムーズになり、問題の早期修復
に繋がりました。
更にその結果を派遣元企業にフィードバックすることで
派遣元での評価がされたと確認しています。
いくつかの取り組み例は小さな事かもしれません、
でも私の組織には非常に大きな成果でした。
パートタイマーに社員と同じ成果を求めるのであれば、
教育の機会を与えることは当然必要になります。
またパートタイマーへの役割・期待を明確に発信した
上での客観的で明確な評価制度を設け、透明性の高い
正社員転換制度の実施や、気持ち良く働き続けられる
職場環境づくりも必要となります。
成果への対応(行為承認)は当然のことながら実施さ
れてはいると思いますが、存在の大きさを改めて認め
(存在承認)、経営者の方々の隣で今日も働いている
正規社員以外の方々に今一つ目を向けて頂けたらと
思います。
中長期の優秀人材の確保、生産性の向上、細切れ雇用
の防止策としても生かされることと思います。
最後までありがとうございました。
陸川